周りに追いつきたい一心で朝昼晩と毎日4時間トレーニングにいそしむ保坂でしたが、一向に差は広がるばかり。それでもトレーニングをやめることは考えられず、体力ばかりが消耗していきます。
そんな中、先輩から誘われたボディビル大会。
トレーニングを始めてわずか2ヶ月。何も知らない保坂に初めての減量が訪れます。
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学生時代。保坂は、強欲でした。
強く願い、相応の努力をすれば、手に入らぬものなどないと思っていました。
何の気なしにボディビル大会に出ることになりましたが、私の眼は確かに優勝を見据えていました。
出場するのは東北学生ボディビル選手権。
聞いたところによると、十数年ぶりに復活する大会だそうです。
それ故に出場選手も少なく、上位に入賞できれば全国大会(通称、「学ボ」)にもいけるそうです。
ふむふむ。
よくわからんが、頑張れば勝てるだろう!
学生時代。保坂は、傲慢でした。
自分の努力は他に類を見ないほどであると、本気で信じていたのです。
何はともあれ、ボディビルの大会に出るのですから、減量は必須です。
とはいえ、ボディビルに関する知識もなければ、減量の知識も全くありません。
ああ、無知とは恐ろしいかな。
保坂は愚かにも、「炭水化物を一切抜く」という港区OLのランチのような無謀なダイエットを開始したのです。
さらばだ、たった2ヶ月で手に入れたなけなしの筋肉たちよ。
この期間が、のちの保坂のボディビルキャリアにおいて、大幅なマイナスを生んでしまったことは言うまでもありません。
それはもう、すごい勢いでやせ細っていきました。
栄養不足で髪はパサパサ、目は落ちくぼみ、筋肉痛は治らず、いつも身体のどこかが痛んでいました。
中でも一番酷かったのは、カフェイン中毒です。私はなんとか毎日トレーニングをするためにカフェインの力を頼り、毎日2本のゼロカロリー”モンスターエナジー”を飲んでいました。
カフェインってすごいんですね!
心臓の拍動が大きくなり、神経が昂り、なんとなく元気が湧いてくるような感じがしました。
同時に、耐えがたい空腹感によって、かなりイライラしていました。
当然です。なぜなら当時は一日1,000kcalも摂っておらず、大会までの7か月間、ずっとその栄養のない食事を続けていたのですから。それでも毎日せっせとジムに通い、4時間のトレーニングは欠かしません。
でもきっとうまくいくはず!
だってマッスル北村も、不可能を可能にしてきたんだから!!
保坂は「こうだ!」と決めたら変えられない性格でした。
その性格が裏目に出たのは、言うまでもありません。
勝手に減量して、勝手にイライラしているなんて、嫌すぎるだろそんなやつ。
こうして、モンスターエナジーを片手に、目をギョロつかせながら大学内を物色する、飢えた獣が完成したのです。
青いアルミ缶と、それを持っている本人の、はたしてどっちがモンスターなんだか。

勿論、そんな生活で身体が絞れているはずもなく。
ボディビル大会当日、そこにはこんがりと焼きあがった、別に絞れてもいない、単にBMIが低そうな男が立っていました。
風が吹けば飛ぶような体力でしたが、東北地区の予選は選手の人数が少なかったこともあり、とんとん拍子で上位入賞。
恐ろしや。私は、トレーニング開始から約半年で、意図せず全国大会に行くことになりました。
でも、もっと怖いことを言っても良いでしょうか。
このとき、当時の保坂は、これっぽっちの身体でありながら、
自分は、誰よりもマッチョであると、信じて疑っていなかったのです!!
学生時代。保坂は、尊大でした。
当時通っていたジムは大学構内のジム。私が行く時間帯は基本的に空いていました。
トレーニング方法にせよ、減量の方法にせよ、私の身体にせよ。私は我流を続け、外部の情報を得ようとすることはあまりしませんでした。
自分のやり方を客観視したり、誰かからレビューをもらったり、他の身体が大きい人に会ったりする機会がなかったことが、当時の自分が天狗になってしまった要因だったのかもしれませんね。
ああ、アンダーアーマーの袖をたくし上げ、広背筋を広げながら肩で風を切っていた自分が恥ずかしい…!
そんなこんなで、世の広さを知らない保坂青年は、「我こそが世界一のマッチョなり!」と、意気揚々に全国の舞台へ足を踏み入れることになるのです。
そこには、自分が全く想像もしていなかったバキバキマッチョがたくさんいるとも知らずに。
やれやれ。
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